東京高等裁判所 昭和25年(う)4563号 判決
原判決には被告人が原審相被告人許泰有に対しヘロイン七〇・九七四瓦を販売の目的をもつて譲渡しと記載されていること並びに犯罪捜査鑑識課報告書によれば、右原判示にヘロイン七〇・九七四瓦とあるは本件取引の目的となつたヘロイン含有の白色粉末の総量であつてヘロインの純分はその二七%即ち一九・一六二九八瓦であり他は砂糖であつたことは所論のとおりである。
しかしながら原判決が証拠として右犯罪捜査鑑識課報告書を引用している点に徴し原判決にヘロイン七〇・九七四瓦とあるは本件取引の目的となつたヘロイン含有の粉末の総量を意味しその純分を示したのでないことは明白である。
そして麻薬取締法第四条第三号違反の罪の判示としてはヘロイン含有の粉末の総量を掲げれば足りその純分を示すことは要件ではない、従つて原判示には所論のような理由のくいちがい乃至引用した証拠の内容を不当に解釈した点のないことは勿論審理不尽の廉もない。